ワキガは本人はもちろん、よく知らない他人は、ワキガってうつってしまうのか心配という声がたまに聞こえてきます。
ワキガは他人からうつるのでしょうか?
また、他人にうつしてしまうことは有るのでしょうか?
結論を先に言ってしまいます。
ワキガは、風邪や水虫のように感染する(うつる)ことはありません。安心して下さい。
今回は、『ワキガはうつるんですか?ワキガは水虫とは違い「うつりません!」【断言】』と題して、ワキガがうつらない理由を、他人からうつされる機会が多い水虫と比較しながら解説していきます。
ワキガは「うつる」んですか?水虫との違い
ワキガは他人に「うつる」のか?また他人から「うつされる」ことはあるのか?
特にワキガと無関係の一般の人には、良く分かっていない人も多いかと思います。
以前の記事で、ワキガの原因とメカニズムを解説しました。
詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
ここでは、一言で簡単におさらいすると、
ここで出ました。常在菌という『菌』。
菌で「うつる」と言えば、厄介な「水虫」。
水虫になるメカニズムはこうです。
水虫の人の足の角質層(皮膚の一番外側)には、「白癬(はくせん)菌(=カビの一種)」という菌が住み着いています。
水虫の人がその足(素足)で、スリッパを履いたり、床や畳の上を歩くとその場所に菌が付着します。
そして、その「白癬(はくせん)菌」が、媒介するモノ(スリッパやバスマットなど)を介して、新たに別の人に移っていきます。
水虫の原因菌「白癬(はくせん)菌」は、特に湿気を好むので、濡れたままになっているバスマットは要注意です。
不特定多数が利用する、プールやレジャーランド、銭湯・サウナなどの足ふきマットには、必ず「白癬(はくせん)菌」は生息していると言っても良いでしょう。
但し、水虫でない人の足に「白癬(はくせん)菌」が『付着』しても、健康な状態の皮膚であれば感染するには24時間以上掛かります。
もしあなたの足の角質層に『住みつかれてしまう』と、あなたは水虫になってしまいます。
但し、「白癬(はくせん)菌」は、非常に生命力が強く、角質や垢が干からびた状態でも生き続けるので皮膚から剥がれ落ちた古い角質や垢からでも感染します。
このように、水虫の感染源となる場所はいたるところに存在し、かつ菌の生命力が強いことからも、きちんと対策をしないと、いとも簡単に水虫になってしまいます。
一方、ワキガの原因となる菌は「ジフテロイド菌」や「キセロシス菌」と言います。
ちなみにワキガでない人の場合、皮膚常在菌としては表皮ブドウ球菌(皮膚善玉菌)が主ですが、ワキガの人は「ジフテロイド菌」や「キセロシス菌」が多いのが特徴です。
しかし、
一時的に菌が付着して移動し、ニオイが発生することもありますが、ワキガの「原因菌」は生息できず、結果的にワキガと似た現象は数時間で解消するので心配ありません。
ワキガがうつるというのは、親から遺伝するという意味で「うつる」という言い方をします。
ワキガは、優先遺伝といって、両親ともワキガの場合、子供に遺伝する確率は約75%、両親のうち、どちらか一方だけがワキガの場合は、子供に遺伝する確率は50%です。
つまり、
わきがはうつる? 洗濯は別にする必要はありますか?
家族と言えども、洗濯物を分けて洗う必要まではありません。
但し、ワキガという『体質』や『原因菌(ジフテロイド菌)』が身体的な接触により移るという事はありませんが、ワキガの『ニオイそのもの』は、うつるというよりも、他の衣類のニオイと混じる可能性はあるので、
ワキガの人の洗濯物は、浸け置きしてしっかり汚れやニオイを落とす、予備洗い、衣類ケアなど多少の気遣いは必要です。
キチンとした洗濯方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。あわせてご覧ください。
ワキガはうつる? 服の共有や貸し借りは大丈夫?
また同様に、服の共有や貸し借りを行ってもワキガはうつることは無いので、全く問題ありません。
ニオイが付いているだけなので、仲の良いお友達同士や兄弟・姉妹で服の貸し借りをしても、ワキガ自体がうつる心配はありません。
ワキガがうつるかのように誤解されるのはなぜ?
ワキガ自体はうつりませんが、ワキガの人が着た衣類は、適切な洗濯方法をしなければ、汗のニオイや黄ばみが完全に落とせるわけでは無く、多少なりとも残っている状態です。
これは、一般の人がたっぷり汗をかいた服の「汗の臭い」や「汗染み」が1回ではキチンと落ちにくいのと何ら変わりありません。
このように、ワキガの人の衣類を他の人が着た場合、ニオイや黄ばみが残っていて、その服を着たあなたからもニオイがする場合があるので、「うつってしまったかも?」と感じるだけなのです。
決して、ワキガの体質がうつったわけではないので、安心して下さい。
結論、ワキガはうつりません。
今回紹介したように、ワキガは他人に移ったり、移されたりということはありません。
それより心配しなければいけないのは、感染リスクの高い水虫菌の方です。
結構な感染力で、家族間でうつることはもちろん、プールやレジャーランド、銭湯・サウナなどの足ふきマットには、水虫の原因菌が100%いると言っても過言ではありません。
さらには、空手や柔道など、裸足のまま行うスポーツも、同じ理由から水虫がうつりやすいです。
また、靴の中で皮膚が蒸れてしまう状態(冬のブーツ等)も危険です。
それに比べれば、うつる可能性はなく、ちょっとした注意をすれば、ニオイや黄ばみを抑制できるワキガは、大げさに問題視するほどではありません。
子供(特に小学生ぐらい)はキチンとした知識を持っていない事から、あなたがワキガ(ニオイがする黄ばみがある)というだけで、からかわれたり、場合によってはいじめられることがあるかもしれません。
そんなときは、毅然とした態度で、うつることは無いし、身体的な事でイジメるのは最低だということを伝えましょう。
それでは、また次回。
次回は、
と題してお送りします。
参考文献:ニオイドットコム「ワキ臭の人の服を着たりするとワキ臭がうつるのですか?」
参考文献:CareNet「ワキガの真の原因を解明」
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