ワキガのサインを見逃さない!ワキガの臭いや黄ばみなどワキガの特徴について解説

基礎知識

前回は、ティッシュを使ったワキガのセルフチェック方法についてお伝えしました。

わきがチェックはティッシュを使って、簡単セルフチェック!

ワキガには、他にも様々なサイン(兆候)があるので、それを確認することで、あなたがワキガかどうか、より正確に判断できるようになります。

今回は、「ワキガのサインを見逃さない!ワキガの臭いや黄ばみなどワキガの特徴について解説」と題して、ワキガのサイン(兆候)についてどのようなものがあるのか見ていきましょう。

ワキガの臭い(におい)

ワキガと言えば、本人も周りの人も一番困っているのが、その独特の臭いです。

人により程度の差は有れ、汗をかいた時などは臭います。

汗の臭いは、「もわっ」としたニオイ。

ワキガの臭いは、「ツーン」とした強烈なニオイ。

と感覚的に表現されることが多いです。

しかし、この表現では、分かる人には分かるけど、ワキガの臭いを体験したことが無い人には、ピンときません。

では具体的にどのように違うものなのでしょうか?

『汗の臭い』と『ワキガ臭』、『体臭』との違いについても分かりやすくお伝えします。

ワキガ臭いの種類

一口にワキガと言っても、ワキガのニオイにも様々な種類(タイプ)があります。

人によって、食べ物によって、変わってくるからです。

一般的には、ワキガのニオイは、主に5種類に分けられ、
M型(ミルクのようなニオイ):日本人男性の43%、日本人女性の55%が該当
A型(酸っぱいニオイ):日本人男性の17%、日本人女性の5%が該当
C型(カレーのようなスパイシーなニオイ):日本人男性の17%、日本人女性の7%が該当
K型(かび臭いニオイ):日本人男性の12%、日本人女性の10%が該当
E型(蒸し肉のようなニオイ):日本人男性の6%、日本人女性の9%が該当

その他に、

・W型(生乾き臭)

・F型(鉄臭)などがあるそうです。

データは、男女それぞれ80名程度の被験者調査結果による。

詳細は、㈱マンダム「マンダム、日本人男女の腋臭(ワキ臭)の違いを明確化」

同じワキガでも、男女で種類の傾向(分布)が違うことが分かります。

ワキガはなぜ臭うのか?

専門的な話になってしまいますが、ワキガを語る上で外せない事なので、お話しします。

まず、私たちの体には、2種類の汗を出す穴(汗腺)があります。

ひとつは、『エクリン汗腺』。

もうひとつは、『アポクリン汗腺』と言います。

『エクリン汗腺』は、体全体表面に分布し、主に汗をかいて体を冷却するのが目的のため『エクリン汗腺』から出る汗の成分のほとんど99%が水分で、残りは微量の塩分だけで出来ています。

その為、サラサラとしていて、通常は無臭です。

ちなみに『エクリン汗腺』が、通常の場所(背中や胸)より5~10倍も多く存在しているのが、実は足の裏。そのため、靴を脱いだ時に足の裏がくさいというのは納得できる話です。

対して、『アポクリン汗腺』は、体の中でも特定の部位、ワキや乳首、陰部にしかありません。

そして、『アポクリン汗腺』は毛穴の中に汗腺開口部があるために、『アポクリン汗腺』から出る汗には、皮脂腺から出るたんぱく質や脂質、鉄分、アンモニアなどが混じっていて、ややネットリしています。

画像引用元及び参考:ロート製薬「ワキガ」の原因、予防法・対処法について

どちらの汗も、皮膚に住み着いている「常在菌」と呼ばれる菌によって分解される時に、汗のニオイや、ワキガのようなニオイになってしまいます。

つまり、

普通の汗と、ワキガの原因となる汗では、汗の原料(成分)が違います。

『汗の臭い』と『ワキガ臭』、『体臭』の違いは何?

『体臭』:汗や皮脂、皮膚のカス(垢)などが、皮膚の常在菌によって分解されたときに発する揮発性のガスがにおったもので、体臭の成分には数百種類以上があるそうです。

広い意味では、「加齢臭(ノネナール)」や「ミドル脂臭(ジアセチル)」なども含めて体から発するニオイは体臭と言えます。近年、研究が進み個別に解明されつつある分野です。

『汗の臭い』:アンモニア、酢酸、イソ吉草(きっそう)酸が主なにおい成分です。

『ワキガ臭』:ワキガ臭の原因となるアポクリン汗腺が、ワキや陰部にある事から、元来、ワキガ臭は性的アピール(フェロモン)と関係があると動物学的には言われています。

その為、欧米人などの外国人はワキガに対してフェロモンの一種と捉えていて、過剰反応することなく、香水などで対処しています。

人間以外の他の動物にも、鼠径(そけい)部やひざの裏などにアポクリン線(臭腺)があります。

ちなみに、猫は「おでこ」や「あごの下」「肉球」にも臭腺があり、そこをこすりつけることで、縄張りを主張したり、個体間でのコミュニケーションに利用しているそうです。

汗の臭いは、化学成分で言うと「アンモニア」「酢酸」、「イソ吉草酸(足裏独特のニオイ)」です。

対して、ワキガの臭いは、化学成分で言うと

「3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール(硫黄臭)」

「3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸(スパイシー臭)」

「ビニルケトン類(ツンとした酸化臭)」

「3-メチル-2-ヘキセン酸(脂肪酸臭)」

などです。

ちなみに、洗濯物を部屋干しした時の嫌な臭いは、「4-メチル-3-ヘキセン酸(4M3H)」です。これも衣類に残った皮脂やたんぱく質汚れを「モラクセラ菌」という雑菌が分解することによって発生しています。

参考文献:第一三共ヘルスケア「くすりと健康の情報局-体臭の原因」

参考文献:日本化学繊維協会「便利な繊維/清潔に保つ機能」

参考文献:日本最大の化学ポータルサイトChem-Station(ケムステ)「花王、ワキガ臭の発生メカニズムを解明など研究成果を発表」

現代では、それぞれの臭いの違いについて、化学的にここまで理解が進んでいます。

ワキガの臭いの特徴

ここまで見てくると、ワキガのニオイの特徴が見えてきたと思います。

ワキガの臭いの特徴は、『アポクリン汗腺』から出る、皮脂やたんぱく質を含む汗を、皮膚の常在菌によって分解されたもの。

ワキガの臭いは、90%以上の人がたった7種類に大別される。

M型(ミルクのようなニオイ)
A型(酸っぱいニオイ)
C型(カレーのようなスパイシーなニオイ)
K型(かび臭いニオイ)
E型(蒸し肉のようなニオイ)
W型(生乾き臭)
F型(鉄臭)

化学成分で言うと、

「3-メチル-3-スルファニルヘキサン-1-オール(硫黄臭)」

「3-ヒドロキシ-3-メチルヘキサン酸(スパイシー臭)」

「ビニルケトン類(ツンとした酸化臭)」

「3-メチル-2-ヘキセン酸(脂肪酸臭)」

などです。

自己臭症とワキガの関係とは?

ニオイの元が自分ではない、また自分からはわずかにしか臭っていないにも関わらず、過剰に気にして思い込むことで起こってしまうのが、『自己臭症(または自己臭恐怖症)』と呼ばれる症状です。

過去に、臭いが原因で恥ずかしい思いをした、いじめられたなどニオイに関するトラウマが原因となります。

これは、幻聴や幻覚とおなじように、実際には臭っていないのに、臭うように感じる「幻臭(げんしゅう)」と呼ばれる症状が現れる場合が多いです。

つまり、『自己臭症(または自己臭恐怖症)』は、精神的な不安や自意識過剰、強迫観念などから生まれます。

ワキガは、他人に迷惑を掛けているかも?という疑念などから、自己臭症に陥りやすい病気です。

精神的な不安を解消するか、もしくはワキガを根本的に治療(手術でアポクリン汗腺を取り除くなど)してしまって、不安の原因を元から取り去ってしまうのが解消する一番良い方法です。

ワキガと黄ばみ。汗染みとの違いは?

においと共にワキガのサイン(兆候)とも言えるのが、衣類のワキ部分の『黄ばみ』(黄色いシミ)。

通常の汗染みとはやや違い、ワキガの元が脂質やたんぱく質を含んだネットリとした汗なので、特に脂質が衣類にこびりつき、『黄ばみ』が出来てしまいます。

脂質(油)と言えば、換気扇やガス台回りの油汚れを想像してもらえば分かりやすいのではないでしょうか?ネットリ・ベットリ付着していますよね。

また、油汚れを放置したままにして時間が経って酸化すると、より黄色が濃く落としずらいしつこい汚れに変化してしまいます。

ワキガの黄ばみも、油汚れと似ています。

通常の汗染みでも、黄色いシミになる場合がありますが、ワキガの場合はもっと濃い黄色もしくは茶色になるので、見分けがつきます。

ワキガの原因となる『アポクリン汗腺』から出る汗には、「リポフスチン」という色素成分(これがまさに黄色~黄褐色)も一緒に交じっているため、

衣類のワキの部分に染み込んだ汗は、服の繊維に浸透・絡み付き、また蓄積することで、より汚れと色が定着していきます。

以上のことから、衣類のワキ部分に『黄ばみ』(黄色いシミ)が出来る場合は、ワキガを疑った方がいいでしょう。

但し、

ワキに塗るタイプの制汗剤が衣類の黄ばみの原因となっていることもあるので、注意して見極める必要があります。

黄ばみのついたTシャツやYシャツなどの衣類の汚れを落とす方法と、黄ばみを防ぐ予防方法については別記事をご覧下さい。

最後にまとめ

今回は、「ワキガのサインを見逃さない!ワキガの臭いや黄ばみなどワキガの特徴について解説」と題して、ワキガのニオイや黄ばみなどの特徴的なサイン(兆候)について、お伝えしました。

前回のセルフチェック方法と合わせて、ワキガ診断に活用して下さい。

自分で判断できない場合は、専門家である医師の診断を受けることをおすすめします。

それでは、また次回。

次回は、

と題してお送りします。

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