そろそろ、暑くなってくる時期ですね。
すると気になるのは、ワキガはもちろん、暑くて「汗をかく」ということ。
今回は、『ワキガと多汗症の違い&併発の可能性は?多汗症と汗っかきの違いは?』と題して、汗に関する症状、ワキガと多汗症の違い、また、多汗症と「汗っかき」の違い、ワキガと多汗症が併発するのか?ということについても解説します。
今回の記事を読めば、それぞれの違いが良く分かります。
ワキガと多汗症の違い
結論を初めに言うと、ワキガと多汗症は、違うものです。
なぜなら、汗の種類が違うから。
多汗症の場合は、汗をかく量が通常の人と比べて必要以上に多いだけで、汗自体は通常の人と同じ、「エクリン汗腺」から出ているモノです。
一方、ワキガはこのサイトで何度も説明しているように、「アポクリン汗腺」という、ワキ、乳首、陰部などの性的に関係する部分から出ている汗が元で、ニオイが発生しているモノです。
そして、多汗症の場合は、暑い夏だけでなく、寒い冬や運動していないくても多くの汗をかきますし、緊張やストレスを感じて汗が出ることしばしばです。
また、多汗症の場合、頭部や顔、胸部や背中、ワキ、そして手のひらと足の裏など特定の部位に多くの汗をかく「局所性多汗症」と、全身に汗をかく「全身性多汗症」の2種類に分けられます。
重度になると、手の場合、見た目で分かるほど汗で濡れている又は汗が滴るほどの状態のため、握手が出来ない、書類やノートが濡れてしまうなどの悩みを抱えている人も少なくありません。
多汗症の原因は、完全には解明されていませんが、汗の出る量をコントロールする自律神経(交感神経)の働きが過剰もしくは興奮しやすい状態になっていることが原因ではないかと言われています。
その為、多汗症の治療の場合は、交感神経の働きを調整する「イオントフォレーシス」と呼ばれる方法では、水の入った容器に多汗症の気になる部分(例えば「手」)を浸して微弱な電気を流します。
また、交感神経の働きを遮断するために、胸部にある神経を切断する「ETS」という手術などを行います。
但し、胸部の神経を切断する「ETS」を行うと、手のひらの発汗は収まるものの、背中や胸部など別の場所の発汗が増える「代償性発汗」が高確率で起こるので、慎重に検討する必要があります。
以下のYoutube動画では、小さい幼稚園児の頃から多汗症で大変な苦労をしてきたことについて、二宮郁さんがカミングアウトしてくれています。
画像引用元:Youtube
この動画見てたら、ちょっと泣けてきました。
だって男の子から「うわっ、お前手濡れてね?きったねぇ」とか言われてしまうんですよ。思春期の女の子が傷つかない訳ないじゃないですか?
ワキガも大変ですが、多汗症も結構大変ですね。自分でコントロールできないのですから。日常生活の不便さから言ったら、ワキガよりもつらいかもしれません。
ワキガと多汗症の見分け方
まずワキガの場合は、独特のニオイが有ります。このニオイがあるかどうかがワキガを見分けるポイントです。
一般的には、ミルクのような「ミルク臭」、「酸っぱい」ようなニオイ、カレーのような「スパイシー臭」、「かび臭い」ようなニオイなどがします。
特徴的なニオイについての原因や化学成分名まで詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。
一方、多汗症の場合は、汗の量が多いだけで、普通の汗をかいた時のようなニオイしかしません。
また、ワキガの場合の汗は、皮脂やたんぱく質及び色素「リポフスチン」を含む汗(白く濁った汗、もしくは黄色味を帯びたネットリした汗)なので、ワキの部分の濃い黄ばみ(濃い黄色~茶色)の原因になりますが、
多汗症の場合は、99%が水分の汗なのでそこまで色は黄色くなりません。
ワキガと多汗症が併発する事はあるの?
先ほども説明したように、ワキガと多汗症は別のものです。
但し、ワキガの人が、多汗症を併発している場合もある一方、多汗症の人でワキガじゃない人も当然います。
その為、
『ワキガと多汗症が併発する事はある。但し、皆がなるわけではない。』が答えです。
多汗症と汗っかきの違いは?
ついでに、多汗症とただの「汗っかき」。いったい何が違うのでしょうか?
違いをズバリ一言で言うならば、多汗症は気温や周囲の環境温度などに関係なく、冬でも大量の汗が出るという事です。
汗っかきの人は、夏など暑い気温の時は、温度に適合するために、体を冷やそうとして、汗を大量にかくんですよね。言ってみれば、性能の良過ぎるエアコンでしょうか。
でも、汗っかきの人でも、よっぽどのことが無ければ、真冬の寒い時期に汗はほとんど出ないですよね?これは、エアコンを作動させる必要がないので、スイッチがOFFになっている状態です。
しかし、多汗症の人は、年中汗をかくことがあり、体温と関係なくエアコンが作動しているようなものなので、エアコンのリモコン(センサー)がデタラメに作動している状態?と言えるかもしれません。
これがつまり、多汗症の原因が、センサー(コントロールユニット)=交感神経が過剰に働いているということなんです。
ちょっと例えがピンとこなかったかも知れませんが、多汗症と「汗っかき」には、そういう違いがあります。
最後に
今回の記事を読んで、ワキガと多汗症、そして多汗症と汗っかきの違い分かってもらえたでしょうか?
それぞれの症状が自分で判断できない場合は、皮膚科などへ行ってキチンと診断やテストを受けてみて下さい。
自分のことを知ることが、問題解決の第一歩です。
それでは、また次回。
次回は、
と題してお送りします。
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