ここまで順に読み進めてきた方は、徐々に「ワキガ」がどういったもので、なぜニオイや黄ばみが発生するのか分かってきたかと思います。
今回は『ワキガ対策は大きく分けて2種類。制汗剤や殺菌剤(対症療法)か手術や治療(根本治療)』と題して、
ワキガに対してどのように対策したらいいのか具体的な話をしていきます。
制汗剤や殺菌剤の紹介だけでなく、手術や治療の各方法について、概要説明やメリット・デメリットの紹介もあるので、ワキガ対策を選ぶ上での参考にしてみて下さい。
ワキガ対策その1:ワキガ対策用のクリームなど制汗剤または殺菌剤:軽度~中度のワキガ
ワキガのメカニズムのところで紹介した通り、ワキガの原因となるのは、2つの要素が重なったとき。
1つは、皮脂やたんぱく質を含んだ『汗』。
もう1つは、それら「皮脂やたんぱく質」をエサとする、『皮膚常在菌』。
どちらか一方でも、抑え込めれば、ワキガのニオイや黄ばみが発生する事はなくなります。
そこで取れる対策は以下のものがあります。
①汗の分泌を抑制する(制汗剤を利用)
まずは、そもそも『皮膚常在菌』のエサとなる、「皮脂やたんぱく質」を含んだ汗を極力出さないようにすること。
その為、一般的には、汗の分泌を抑える制汗剤が利用できます。
ここで詳しい解説に入る前に、「デオドラント剤(消臭剤)」と「制汗剤」の違いをハッキリさせておきましょう。
「デオドラント剤(消臭剤)」は、汗をかいた後のニオイを抑える(消臭する)モノなので、汗をかく量を抑えるものではありません。
一方、「制汗剤」はその名の通り、汗をかく量を制御(抑制)する効果のあるモノです。
2つには決定的な違いがあります。
選ぶ際には、商品表示や成分をよく確認してから購入して下さい。
さて、「制汗剤」ですが、一般に薬局やネット通販などで買えるモノも有りますが、
ワキガ治療で病院やクリニックを訪れた時に処方されるのが、「塩化アルミニウム」が濃度8~25%程度配合された液体で、これを塗り、汗を出す「穴や管にフタ」をすることで、汗を抑える効果が期待できます。
塩化アルミニウム配合の制汗剤には、同時に消臭や殺菌効果があるものも有るので、好みに応じて選んでみて下さい。
Perspirex(パースピレックス)の場合、「塩化アルミニウム」の配合濃度が少ない順(肌への刺激が少ない順)に、
パースピレックス コンフォート:8%
パースピレックス オリジナル:15%
パースピレックス ストロング:25%
パースピレックス マキシマム:???
が存在していますが、パースピレックスの公式サイトにはマキシマムが無いので、ネット上で売られているマキシマムは、正規品ではない偽物かも?しれません。
濃度配合量の見分け方は、ボトルに書かれている「涙型の色」。
一番刺激の弱いコンフォートは緑色、オリジナルは薄い青、濃度が濃くなるにつれて表示の青色が濃くなっていきます。
皮膚が敏感な方は、オリジナルでも肌荒れや痒みが発生することがあるので、最初はコンフォートから試してみるのもいいでしょう。
一般市場(店頭やネット販売)へは日本では未入荷のため、公式販売元「YOU UP」による個人輸入(日本での販売名称は「デトランスα」)でしか手に入りません。
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日本のロールオンで満足できなかった人におすすめです。
本当に効果あるの?と疑っている人ほど、こちらの記事は是非見て下さい。運動後の効果についても写真入りで検証結果を公開しています。
「パースピレックス(デトランスα)」は、海外のクリニックだけでなく、最近では日本国内の美容外科でも置いてあることがあるぐらい、当たり前のように使われています。
画像引用元:品川美容外科
他には、今まで何を試してもダメだったのにこれだけは効いたと、ヨーロッパは元より、アジアや日本でも売れている大人気のスイス製の制汗剤【AHCセンシティブ 】なら、両脇に使用してたっぷり6か月も使え、非常にコスパが良いです。
あとは、楽天で1位を獲得している「オドレミスト」もおすすめです。非常に口コミ評価も高く、病院やクリニックに行くのに抵抗がある方は、とりあえずこれらの製品を使ってみるのもありです。
ちなみに、「塩化アルミニウム」の配合濃度は13%です。
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その他には、内服薬(飲み薬)として、交感神経の伝達物質「アセチルコリン」の働きを阻害するコリン受容体拮抗薬(抗コリン薬)を利用する方法もあります。
さらには、「ボトックス注射」と呼ばれる、神経の働きを抑制する作用がある注射をワキにすることで、汗の分泌を抑えることが出来ます。なお、ボトックス注射は、顔のしわやたるみを取る、肩こりの解消など幅広く使われています。
②ボトックス注射を打つ
ボトックス注射が根本的な治療になるかというと、3~6か月おきなど定期的に治療を行わないと効果が無くなってしまうので、対症療法と根本治療の中間ぐらいと考えてもらえればいいでしょう。
腋に「アセチルコリン」という神経伝達物質の働きを阻害するたんぱく質「ボツリヌストキシン」を注入(注射)することで、汗腺の機能を抑制し一時的に汗の出る量が減る⇒ワキガが低減するという方法です。
ワキガだけでなく、手や額など様々な部位の多汗症治療に使うことが出来ます。
この方法のメリットは、注射を打つだけなのでごく短時間で治療が終わり、かつ注射跡しか残らず、非常に手軽なのが最大のメリットです。
デメリットは、最初にも言ったように、根本的な治療ではないので定期的に治療を受け続けなければならない点です。
また、中度から重度のワキガには効果が薄いです。
③殺菌成分配合のクリームなど
次には、汗をかいてしまうけれども、ワキガのニオイを発生させる張本人である皮膚常在菌「ジフテロイド菌」や「キセロシス菌」を殺菌して、ニオイの元を作らせない方法です。
殺菌成分が配合されているクリームなどがいくつも製品化されています。
代表的な物だけでも、
ロート製薬「リフレア」、【クリアネオ(CLEANEO)】、テサランクリア、ハイネス【リバランスデオ】、NOANDE(ノアンデ)、デオシーク
などがあります。
各製品によって、殺菌成分や効果が異なるので、特徴を把握して選ぶことが重要です。
④汗をかいても清潔にしておく
これはワキガだけでなく、全身にかくエクリン汗腺からの汗にも言えることですが、
まず、汗をかいたら、出来るだけこまめに汗を拭き、汗が極力無い状態にしておくと、菌が活動しづらくなるのでニオイの発生を抑える効果があります。
手軽にできるのは汗拭きシートなどで拭くことです。
可能ならば、シャワーを浴びて清潔に出来ると、なお良いです。
これだけで、ワキガの原因菌のエサとなる「皮脂やたんぱく質」を除去することが出来るので、多少ニオイを抑えることが出来ます。
⑤ワキガの発生を抑える補助的方法
何度も出てきていますが、ワキガの原因は「菌」です。
その為、腋毛が生えていると汗をかいた時に蒸れて、菌が繁殖しやすい環境になりやすいので、キチンと腋のお手入れをしておくことも意外と大事な予防法の一つです。
ワキガ対策その2:ワキガを根本治療する手術や治療:中度~重度のワキガ
ここまで紹介してきた、制汗剤などは、あくまでワキガに「なり難い」状況を作りだす方法で、ワキガの根本的な治療にはなっていません。
中度~重度のワキガで、ワキガについて本気で悩んでいて、根本から治療したいと考えている人には、手術や治療するのがおすすめです。
別の機会に個別に詳しく説明するので、今回は簡単に要点だけ紹介しておきます。
ワキガの根本治療その1:治療(ミラドライ)
マイクロ波をワキに照射することで、水分の多い汗腺を破壊する(=つまり電子レンジと同じ原理)ことを目的とした治療法です。元々は多汗症の治療に用いられていましたが、最近ではワキガにも効果があるとして利用されています。
出力を調整することで、皮膚の浅い層にあるエクリン汗腺から、深い層にあるアポクリン汗腺(ワキガの原因)まで対応します。
ワキガの根本治療その2:手術(マイクロリムーブ法)
マイクロリムーブ法では、腋を1~2㎝切開して、そこからマイクロシェービングコンソーラーと呼ばれる器具を挿入し、アポクリン線や皮脂腺を粉砕します。
術後は、3日間の固定が必要ですが、それ以降はシャワーを浴びることも可能になるので、次に紹介する皮弁法よりは制限される期間が少なくて済みます。
ワキガ改善の効果としては、ミラドライと皮弁(ひべん)法の中間ぐらいになります。
患者への負担がそこまで高くない割に、効果がそこそこ得られるのがメリットです。
ワキガの根本治療その3:手術(皮弁法)
ワキガの治療法として昔から行われてきたのが、皮弁(ひべん)法と呼ばれる方法です。
腋を5㎝程切開して反転、皮下組織にあるアポクリン汗腺を医師が直接目で確認しながら、アポクリン汗腺を元から除去する方法です。
手術時間は、平均2~3時間、かなり元気なアポクリン汗腺を持っている人では5時間掛かったなんて話もあります。
そして、ワキガの治療において、唯一『保険適用の対象』となるのがこの皮弁法です。
しかし、デメリットとしては、術後1週間ほどは腕を上げることも出来ず安静が必要な為、日常生活に支障が出てしまうこと。
また、目立つような縫合跡が残ってしまうことが挙げられます。
また、クリニックにより「保険適用」のところと「保険適用でない」価格のところがあるので、良く比較して決めて下さい。
その他、ワキガ対策の食べ物や運動、服などでの対策
その他の対策というか各種の「予防」方法については別記事で紹介しているので、そちらをご覧下さい。
最後に
今回は、ワキガの対策として利用できる方法を、ざっくり概要だけ紹介しました。
当サイトでは今後、個別に詳しくそれぞれのワキガ対策及び治療法についての解説、商品レビューもしていくので、またそちらもご期待下さい。
それでは、また次回。
次回は、
と題してお送りします。
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